福沢諭吉
福沢諭吉『童蒙をしへ草』巻の三「怒の心を程能くし物事に堪忍し人の罪を免す事」の第十五章で、ソクラテスの怒りに関する逸話が出てくる1。読んでみるとプラトンの対話編ではソクラテスが言わなそうなことが、書かれていることにすぐに気づくだろう。そこで…
福沢諭吉の子供向けの本『童蒙をしへ草』は、チェンバース(William Chambers and Robert Chambers)のThe Moral Class-book (1839)の翻訳であり、イソップ寓話を含め、西洋古典の話も含まれている。その中で、第二章(ロ)には、親を大切にする若者の話として、…