Asinus's blog

西牟田祐樹のブログです。

イシドルス『語源』翻訳 III-9 『非限定な数はいくつ存在するか』

はじめに

テキストはOroz Reta J. and Marcos Casquero, M.-A (eds), Etymologias: Edition Bilingüe, Madrid, 1983. を使用した。Berney, Lewis, Beach and Berghof, The etymologies of isidore of seville, Camblidge University Press, 2006の英訳と以下の文献中の英訳を参照した。

Brehaut Ernest, An encyclopedist of the Dark Ages: Isidore of Serville, Columbia University, 1912.

この文献は以下のサイトで読むことができる。

https://archive.org/details/encyclopedistofd00brehrich/page/n9/mode/2up

翻訳

非限定な数はいくつ存在するか

数が限りなく存在することは限りなく確実である。なぜならあなたがどのような数を考えたとしても、限界が定められなければならないからである。私は1を加えることで増大させることについてだけ言っているのではない。[その数が]どれほど大きくても、またどれほど大きな数を含んでいたとしても、数の計算(ratio)と知識によって2倍するだけではなく、多倍すること(multiplicari)もできる。

それぞれの数はその特性(proprietas)によって限定されている。なのでいかなる数も他のどのような数とも等しくはあり得ない。それゆえ、それぞれの数同士は等しくなく異なっている。そしてそれぞれの数は限定(finitus)であるが、すべての数[を合わせた数]は非限定(infinitus)である。