Asinus's blog

西牟田祐樹のブログです。

ガレノス"Eisagogē Dialectikē"タイトルについて

はじめに

Kalbfleische版テキストは以下で読むことができる。

https://archive.org/details/galnoueisaggdia00kalbgoog/page/n19/mode/2up

英訳Galen's institutio logica, John S. Kieffer, The johns Hopkins Press, 1964を参照した。

本題

ガレノスの"Eisagogē Dialectikē"はラテン語タイトルでInstitutio Logicaと呼ばれている。私が見落としていなければガレノスのテキスト中にLogikēという語は使われていない1。 英訳Chapter VI-6で"logicians"と訳されているものは原文ではdialektikoiとなっている。なので細かい話ではあるが歴史的にはIntroduction to logicよりもIntroduction to dialecticと考えた方が良さそうである。


  1. ガレノスは論理学的な先行研究に言及する際に個人名以外には"some of the newer philosopher"(tisi tōn neōterōn philosophōn) (III-3)のように「哲学者」という語を使っている。